2011年11月29日火曜日

ちきりん著「ゆるく考えよう」「自分のアタマで考えよう」

ずっと、読まなくちゃと思って「積ん読」状態だった「ゆるく考えよう」を、新刊「自分のアタマで考えよう」が出たのをキッカケにまとめて読了。
いやぁ、さすがちきりん女史(@InsideCHIKIRIN)!冴えてます。毎回楽しくブログを拝読してますが、相当に訓練を積んだデキる人、、羨ましい洞察力です。(おちゃらけ〜と言ってゆるい雰囲気を醸し出していらっしゃいますが、、どうしてどうして!)
以下、簡単に読書感想なぞ。

自分のアタマで考えよう
処女作「ゆるく〜」が発売された時と比べたら、隔世の感あり!地元のジュンク堂、有隣堂、共に店頭平置きでした!前書は、自己啓発系のコーナーにあって、わが街の本屋ではちょっと探しまわらないと無かったのに(日頃は「良く生きる」とか「歴史探訪」みたいな、明らかに悠々自適リタイア層がお客様のそれ系本が店頭を飾る)、、、ネットの伝搬力恐るべし。
内容は、昔読んだ勝間さんの本とダブる部分があるなという印象。でも、もっとピンポイントで「要するにここよ!」と指摘しているので頭に残り易い。これは、永くチームを率いる立場に居たであろう人が持つ「要約術」なんでしょう。(恐らく!経験値が違う感じ)
「地アタマ」が多少弱くても「この伝え方なら間違い無い!」という勘どころが分かってる人なんだぁ、と感服しました。
一番タメになったのが「判断基準を先に設定せよ」。
冒頭のとある社内を活写した例え話は笑うに笑えませんでした。(ちきりんさん、どっかで見てたでしょ!って感じ)
弊社の幹部会に来て薫陶して頂きたい。(ヤダよ!と言われそう)全員とは言いませんが、「判断基準」も「思考の棚」も全く持っていない「自滅型機械運動的思考停止野郎」が、権限の座に居座ってしまって始末に終えないです。
これを読んで「どよーん」と暗く思ってしまったのが、紹介されている思考方法を全員でなかなか共有出来ないという点です。
ロジカルシンキングとか、「モレ無く、ダブり無く」とか、「ゼロベース」とか、、それなりの研修をほぼ全員が受けているにもかかわらず、日常業務の場でチョイチョイと使いこなせない…。。使えなきゃ意味が無いのですが、
「舶来もんの浅知恵振り回しやがって」と、
何と無く抵抗されたり、折角習っても右から左へ抜けて忘れちゃったり、、いろんな意味で外資系企業の「生き馬の目を抜くスマートさ」がそこはかとなく香るなぁと、羨ましいやら、情けないやら。(「よく考えろ」何てアドバイスしてくれる先輩が居る事自体凄い。「考えるな、生意気言うな」がデフォルトですからね。)

話のレベル(本書p134〜)が違って日常噛みあわない事多々です。ちきりんさんのエントリーでも一番好きな「なんで全員にリーダーシップを求めるの?」を思い起こさずにはいられませんでした。
外資系は、全員がリーダーとして苦労した経験があるドリームチームだらけなのかしら、、と夢想したり。

だから「今更親父世代に言っても埒あかない、若者よ心せよ」というメッセージがこの本には込められていそうです。
あれですかね。。化石化した古生代的考え方から抜け出せない固執「逃げ切り」世代が、順送りで出て行くまで待つしかないのでしょうか。。(それまでに沈没したら元も子も無いけど)

ゆるく考えよう
実は「積ん読」期間が長かったこっちの方が面白かった。ブログ愛読者ですが、とても膨大な「chikirinの日記」のエントリーを全て読む時間は無く、これはエッセンスが凝縮されていて発見も多いです。
膝を打ち過ぎて痛くなってしまったのが「仕事」についての話。

単位面積当りの収穫高を上げようと考えないブラジルの焼き畑農業
↓(同義)
働く時間を延々と伸ばす長時間労働

に喩えたのは絶品!
働く母親は、どうしても時間の制約があるので限られた時間の中で効率良く収穫高を上げなければならない。評価を下げられたり、昇級の候補から外されないよう、嫌でも無い知恵を絞り、自分で努力出来る所は何でも努力するのが「習い性」になってしまっている。
「見えない天井」でも「やっぱり長時間労働した人しか評価されないんだ」とか、口を尖らして批判してもいいけど(子どもが小さかった時は被害者意識が多かった、、)最近は、「もっと視点を遠くに設定しないとな」と思う。ちきりんさんも

「自分に近過ぎる存在は思い入れが強いので、少し遠くに視点を設定した方が良い。」

と書かれていて、さすがである。

実は、数年来ずっと悩んで来たある仕事の、企画書らしきものがこの本を読んだ事で書けそうである。そう、まさに

「インプットも大事だけど、アウトプットはもっと大事だ」

と語るは金言。「入れたら出す」は基本ですね。出してみて初めて血肉になると私も思う。
終章は人生観を感じられて、なかなかいいです。

洒脱な語り口でサラサラと読めるこの本。活字を読むのが苦手、長文を読むのも苦手、な人にも、とても取っ付き易いのでおすすめです。

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